事業再構築補助金の「代理申請」及び「申請書類の作成代行」に関して

補助金制度

はじめに
「補助金を活用して事業を拡大したい」「補助金の制度が複雑で専門家の力を借りたい」など、補助金に関する情報収集を行っていた事業者の方の中には、「代理申請」に関する情報を目にされた方も多くいらっしゃるかと思います。
本記事では、「代理申請」と「申請書類の作成代行」の違いを含め、現状(令和6年3月1日時点)や注意点などを解説していきます。

問題になっている点
「代理申請」に関する実際に確認された事例として、以下の例などが挙げられています。

  • 複数の事業者が同一の代理申請業者を利用していた(同一IP での複数申請)。
  • 代理申請業者が事業計画書を転用して複数企業の事業計画として提出していた。
  • 代理申請業者が申請者から高額な手数料を請求していた。

上記の事例を踏まえ、以下の点なども懸念されています。

  • 代理申請業者が虚偽の計画書を作成し高額な手数料を請求するなど、不正な取引の温床になる可能性がある。
  • 申請者が事業計画書作成を申請代行業者に丸投げすることで、本来必要な準備を怠り、結果的に補助事業がうまく進まない可能性がある。

中小企業庁の公式見解
事業再構築補助金事務局は、代理申請問題への対策として、以下の取り組みを行っています。

  • 公募要領の明確化: 代理申請禁止事項を明確に記載しました。
  • 認定支援機関に対する指導強化: 認定支援機関に対し、代理申請を行わないよう指導しています。
  • 不正受給対策: 不正受給が発覚した場合、厳正な対処をすることを明言しています。

以上のような流れがあった中で、中小企業庁と日本行政書士会連合会は、事業再構築補助金及び生産性革命推進事業の行政書士による「代理申請」に関する公式見解を発表しました。

 

 

行政書士による代理申請の可否
中小企業庁の公表に続き、日本行政書士会連合会も同件についての周知を各会員に対して行いました。
結論として、行政書士は、事業再構築補助金の「申請資料の作成の代行」を行うことができます。ただし、以下の点に十分に注意する必要があります。

  • 「代理申請」はいかなる形式でも認められておらず、「申請書類の作成」に限り行政書士が代行をすることができます。つまり、「申請書類の作成代行」と「代理申請」はまったく別の行為であり、特に注意が必要です。申請者本人が申請内容を十分に理解し、確認した上でご自身が申請する必要があります。
  • G ビズID の第三者利用は認められておらず、申請は必ず事業者本人が行うこととなります。

「代理申請」と「申請書類の作成代行」の違い
「代理申請」とは、第三者が申請者(事業者)のID を使用するなどして、申請手続きを代わりに行うことを指します。
「申請書類の作成代行」とは、申請までに必要な資料の作成や事業計画の作成を支援することを指します。(下図参照)

行政書士に申請書類の作成を依頼する場合
事業再構築補助金は、複数の公募枠があり、それぞれに異なる要件や申請手続きがあり、制度の複雑さが申請を躊躇させる要因となっていると言われています。
補助金の申請には、事業計画書や財務諸表など、多くの書類が必要となります。また、書類作成には専門知識が必要となる場合もあり、中小企業にとって負担が大きくなっているため、事業を確実に実行するためにも、専門家へ依頼することが最適なケースも多くあるかと思われます。
専門家に「申請書類の作成の代行」を依頼する場合は、適切な範囲でしっかりとしたサポートを受けられる専門家を選ぶことが重要になります。

行政書士を選ぶ際のポイント

  • 事業再構築補助金の趣旨を理解し制度に精通しているかどうか。
  • レスポンスが早く、情報共有がしっかりとできているか。
  • 手数料が明確かどうか。
  • 過去に実績があるかどうか。
  • 信頼できるかどうか。

専門家に依頼する際には、ぜひ上記のポイントを参考にしてみて下さい。

認定経営革新等支援機関に関して
事業再構築補助金では、認定経営革新等支援機関の確認が義務付けられています。(認定経営革新等支援機関に関しては他の記事で詳しく解説しています※リンク)
専門家として、申請者に的確な助言・アドバイス等を行うのが認定経営革新等支援機関の持つ役割です。
また、多くの認定経営革新等支援機関は有償で以下の業務等を行っています。

  • 経営状況の把握(財務分析、経営課題の抽出)
  • 事業計画作成(計画策定に向けた支援・助言)
  • 事業計画実行(事業の実施に必要な支援・助言)

※支援内容は各機関によって異なりますので、選定の際は内容をよくご確認下さい。

まとめ
事業再構築補助金に関わる「代理申請」と「申請書類の作成代行」の違いについて大まかな解説を行いました。私たちは認定経営革新等支援機関・中小企業診断士・行政書士の立場から、事業者の皆様が正ししい知識を持って補助金を活用し、事業を発展させていただきたいと考えております。

適切な助言を行い、書類作成のサポートをいたします。
補助金の申請に関する、ご相談・お問い合わせは こちらのフオームから

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